人が怖い。
この記事を読もうとしてくれた人は、少なからずそんな感覚があるのかもしれません。
私も、人が怖かった。今もまだ少し怖いかな。
職場でも、友達関係でも、何か怯えてビクビクしていました。
でもそれは、周りの人が本当に怖いわけではありませんでした。
むしろ、私の周りにいるほとんどの人は、優しく温かい人だったのです。
自分の中にある恐怖心は、周りが優しければ優しいほど、自己嫌悪にもつながっていきました。
あるメンタルクリニックで、
「社交不安障害」
という名前が付きました。
このパーソナリティーに向き合うため、してきたことをまとめます。
同じような気持ちに悩む方々にお役に立てると嬉しいです!
「社交不安」とは?どんな状態?

私は、就職して1年目のある日、仕事帰り信号待ちで突然、恐ろしい感情に襲われました。
それは、
職場の人がみんな自分をにらんでいて、
「お前はいらないやつだ。ダメな人間だ」
と言いながらこちらを見ている。
そんな映像が、脳裏に現れてきました。
実際に周りの皆がそんな目で私を見てるんじゃないかという突然の不安感に襲われ、
しばらく身動きが取れなかったのです。
そのときは、ふと我に返り、また普段通りに家路につきました。
「なにかがおかしい」
と思った瞬間でした。
その前から、いろいろしんどかった。
初めての社会人。うまくいっていないプライベート。母の闘病。
思い当たるストレスはありました。
それでも、それなりにやってきた・・・つもりでした。
その日を境に、わたしはどんどんおかしくなっていきました。
例えば、
「こんなこと言ったら、怒られるんじゃないか」
と、常にびくびくしたり、
すれ違った職場の人にあいさつをして、返事が返ってこなかったら「この人、私を嫌ってるんじゃないか」
などなど。
ちょっとした他人の表情でさえも気になり、
挙げ句の果てには何もなくても自分が責められているような感覚になっていました。
会議や会食の場が恐ろしく苦痛になりました。
人の視線が自分に向いているだけで恐怖を感じるのです。
毎日の仕事が、その恐怖の連続で、そのつらさを紛らわすために
自分を粗末にし、傷付けることばかりを繰り返していました。
そのうち、仕事に支障をきたすようになって、病院を転々とし、冒頭に述べた
冒頭でのべたように、メンタルクリニックでは、「社交不安障害」という名前がつきました。
社交不安障害とは、
人から注目されるような場面や状況に対して強い不安や恐怖を感じる疾患です。その不安や恐怖が大きくなり、日常生活に支障が出ます。
10人に1~2人がかかると言われるほどポピュラーな疾患です。
https://fuanclinic.com/med_content/sad/ 医療法人 和楽会「社交不安症(SAD)」より引用
というものです。
おもな症状は、
- 人前で話すのが怖いスピーチ恐怖
- 多くの人と一緒に食事をするのが怖い会食恐怖
- 電話で人と話すのが怖い電話恐怖
- 人から注目を浴びる、視線を向けられたり、目を合わせるのが怖い視線恐怖
- 人前や特定の場面で緊張して顔が真っ赤になってしまう赤面恐怖
- 人前で字を書く手が震える書痙
- 緊張する場面で過度に汗をかく。手汗がすごい発汗恐怖
- 緊張でお茶を出す手が震えたりする振戦恐怖
などがあげられるようです。
私は、会食恐怖と視線恐怖があてはまるように思います。
では、そんな私が、できる限り前向きに生きていくためにやってきたこと、考え方を説明していきます。
「社交不安」は、ひとつの個性だと捉える

変な言い方をすると、自分が本当に、社交不安障害という分類に入るのかどうか、よくわかっていません。
会食恐怖と視線恐怖はあるかなぁ?と思いますが、それが大丈夫な場面もあります。
ネットで症状を調べても、当てはまることもあれば、当てはまらないこともある。
主治医いわく、私の症状は私自身のパーソナリティである、という見解です。
軽度の発達障害と呼んでもいいそうで。
発達障害と言っても、それはどんな人にもありうる、一種の個性のようなもの。
私の場合、対人関係というジャンルにおいて、精神年齢が思春期のまま止まっていて、それゆえに社会人としての対人関係が苦手なパーソナリティなのだ、ということ。
言われた当初は、精神的にすごく参っていたので、ピンときてなかったのですが、
今は、すごくよくわかるようになりました。
「人が怖いと思うことがある」。
これが私の個性。
個性が、ネットの情報だけにすべて当てはまることなんて、ほぼないですものね。
個性は、善悪だけで判断されるものではない、その人の特徴です。
明るい人もいれば暗い人もいる。
それと一緒で、人が怖くない人もいれば、怖い人もいる。
でも、実際に人が怖いというのは、しんどかったり、つらい場面がとても多いです。
できれば、しんどくはなりたくない。
では、この個性を抱えながら、普段どう過ごしていくか?
それを考えてみました。
社交不安と向き合った普段の過ごし方

人が苦手。怖く感じる。
でも、それって「嫌い」とは違うのです。むしろ、
実際は人が好きなんだと思う。
そこに恐怖感を感じてしまうのは、きっと、
幼少期の精神状態だったり、元々の脳の構造だったり
するのかもしれません。
今はその過去や、元々のものにフォーカスするのではなく、
今現在の自分の状況で、
その怖さは具体的に何なのか?
に気づき、
それは、実際本当に怖いものなのか?を見つめるようにしています。
そして、本来は人が好きだという本質の部分も見つめてあげる。
自分の中にある、怖いという固定観念を一度はずしてあげるようにしています。
それに至るまでには、様々な自己啓発本や、インターネットサイト、カウンセリング
に通ったりしました。
最終的に、克服できそうな気持になれたのは、信頼できる友人からの支えでした。
そこでの気づきは大きかったです。
- 社交不安という個性を持っている自分を責めない。
- ストレスになることは、極力しない。逃げることは悪じゃない。
- ちゃんと、安心できる場所が必ずある。
- そもそも、自分に危害を与えようとする暇な人間はそんなにいない。
- 自分を大切にしてくれる人も、存在している。
- そして何より、自分が自分を愛してあげる。
自分も一人の人です。あらゆる人が怖いのなら、自分自身のことまでも怖くなってしまう。
まずは、自分を大切に、愛してあげよう。
そんなことを意識して過ごしています。
まとめ
まだまだ、常に
前向きに!ポジティブに!と、
積極的に人に関わっていくまでにはなっていません。
正直、そこまでなる必要もないかなとも思います。
本当に安心できる場所が、必ずどこかにあるはずなのです。
私の不安を受け入れて、
何度でも何度でも
「大丈夫だよ」
と確認を取ってくれる場所が、幸い私には存在しています。
そんな場所があるだけでも、
根拠のない不安は減っていきます。
そんな場所があることに感謝をして、
あとは、自分の可能な範囲で
コミュニケーションを取っていく。
そんなふうに過ごすことが大切だなという結論に至っています。
社交不安に対するサポートについてはこちらをご覧ください
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