いやはや、かなり久しぶりの心理学入門書まとめ。
今回は、生体が覚えて行動することの初歩的なメカニズムを中心にまとめてみます。
分かりやすく心理学入門書を学んでいきましょう!
参考にしている入門書はこちら
前回のおさらい:条件付けによる習得的な
前回の心理学入門では、条件付けによる習得的な行動についてまとめました。
詳しい記事はこちら!⬇️
簡単に前回の説明から
私達、生き物は、「○○があると、こうなる」のような原因と結果を習得することで、自身に利益のある行動を取れるようになります。
実験では、ある行動を取ればすぐにその報酬が得られるしくみを作れますが、日常生活ではそうはいきません。
目的のために行動をしたからといって、すぐに目的を果たせないこともあります。
また、物理的に距離が離れたところで報酬が発生していたりすることも。
これを間接化というのですが、そのような状況下でも適切な行動を取れるようになれば、より行動の範囲を広めることができるのです。
シンボル機能とは?~遅延反応の実験から
間接化されてしまった目的や報酬、つまり求めたものがすぐには手に入らなくなったとき、
そこにたどり着くために働くのが
シンボル機能です。
そこで、遅延反応の実験が紹介されています。
遅延反応の実験を行ったのはハンターさんという人。
それから様々な実験により研究されてきました。
実験の一例
ヒトも含めた、いろんな生き物で遅延反応の研究がなされました。
たとえば、こんな実験。
ヒトや動物に対して、報酬となるようなエサやキャンディを複数の同じ箱の1つに入れる所を見せます。
その後、スクリーンをおろしてその箱を隠し、一定の時間隠した状態にし、再度開けたあと、
エサやキャンディが入っている箱を当てられるかどうか?という実験です。
この結果は、生き物の特性によって例外はあるものの、脳の発達が高度であればあるほど、長い時間隠しても見付けることが可能でした。
発達に言語の遅れがある子供の場合、隠した後に見付けられる時間が極めて短いということが分かっています。
遅延反応の実験から分かること
この実験で分かることは、生体が間接化してしまった状況で、答えを導き出すために、何らかの代わりとなる信号を覚えておく必要があるということです。
たとえば人間の場合だと、アメが入ってる箱を隠されたとき、「左から2番目の箱に入ってた」とか「真ん中らへんだった」とか、言葉やイメージで記憶しておくことになります。
このように、一度目にした刺激の情報を自身の中に保持しておくことをシンボル過程、シンボル機能と言います。
さらに、経験によって得られた情報を、イメージや知識として自分の中に持っておくことを表象(表象機能)といいます。
動物の場合だと、言語はないので、姿勢や動きなどでシンボル行動を行うようです。
発達が進むにつれ、イメージや記号、そして人間の持つ言語などで記憶していくことになります。
発達が進むと「概念」を持つ
様々な遅延反応の研究により、生体が発達すると、概念行動というものができてくることが分かりました。
たとえば、大きさや色、向きの違う三角形を見たときに、それでも全て三角形だと理解することができるようになるのです。
ゲラーマンさんは、実験でチンパンジーと幼児(2歳)に、三角形と四角形を見せて、どちらが三角形かをはじめに教えました。
その後、5種類の三角形を四角形と比較させ、三角形はどちらかを当てさせたのです。
色が反転している三角形や、逆さまの三角形は、チンパンジーも子供も正解しましたが、丸点6個で三角形を形作った図形に関しては、チンパンジーには理解できなかったということです。
つまり、どんどん高次の脳機能になるにつれて、概念行動もより広がりを見せるということになるのです。
まとめ
いかがでしたか!?
今回は、
シンボル機能
を中心に読み解きました。
私達生き物が、さまざまな刺激に対して、どのように対処していくのかが、機能的に解るお話になっていたと思います。
今日のお勉強はここまで!
また次回をお楽しみに😊
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