「感受性」が豊か
と
「感性」が豊か。
この違いって、
「感受性が豊か」な人は、感じ取る物事、つまりインプットされる物事がとても多く、細部に渡る人のこと。
とても敏感な人ということですね。
一方「感性が豊か」とは、感じ取ったものをアウトプットする、表現する能力に長けている人。
私は感受性は豊かですが、感性豊かか?となると疑問です。
私の愛するMr.Childrenの曲を作詞作曲されている桜井和寿さんは、
感性の塊のような人です。
今回は、その感性の豊かさを象徴するような、情景描写がとっても共感できて、とってもステキな歌詞をご紹介します!
2006年発売シングル「箒星」に収録されている「ほころび」の情景描写
水玉模様のスカートが揺れる
晴れた日の公園 良く覚えてる
キンモクセイが植わった
木陰を見つけて
ビールなんか飲んで 手だけ繋いで
広い芝生に横になって
青い空を見上げた
気持ちが良くてウトウトして
瞼閉じた
「ほころび」作詞作曲:桜井和寿
この情景、聞いた瞬間に脳裏に映像が浮かびました。
大切なかわいい彼女と、この上なく幸せな時間に浸っている感じ。
これといって特別でもなんでもない近所の公園。
それでも、大切な人とビール飲みながら手を繋いで寝転がっている時間は、想像するだけでほんわかした気持ちになります。
あぁー、分かる分かる!私もこれやりたい!って笑
そこから見上げる空の青さは、とんでもなく澄んでいるような感じがします。
これ、実は夢だったという、切ない結末なんですけどね。
もう彼女は隣には居なくて。
彼女が居なくなったためにできた、心のほころびを歌った曲かなぁと解釈しています。
切ないからこそ、この情景が余計に美しく感じるんですね。
2004年ドラマ「オレンジデイズ」主題歌「sign」での情景描写
妻夫木聡と柴咲コウの主演ドラマの主題歌になった「sign」。
ここにもこんなステキな描写が描かれています。
緑道の木漏れ日が
君に当たって揺れる
時間の美しさと
残酷さを知る
「sign」作詞作曲:桜井和寿
こちらの解釈は、緑道の木漏れ日が、大切な人(ここでは恋人かな)に当たって揺れているのを見て、
「美しいな」
と、感じたとき、この時間の儚さも知った。
という感じでしょうか。
もうこの美しいと感じた瞬間は、二度と戻らない、たった一瞬の出来事。
だからこそ、一つ一つのサインをできるだけ見逃さないように大切にして生きていこう
といった歌なんだと思います。
この歌詞は、2番のサビと、最終のサビの間に流れる部分です。
音楽用語では「Cメロ」というみたいですが。
ここの歌い方が、
「緑道の、」
「木漏れ日が、」
「君に当たって揺れる」
というようにゆっくりと区切っているんですね。
そのメロディ運びがより情景をリアルに写し出してくれている気がします。
1999年発売アルバム「DISCOVERY」収録曲「Image」の情景描写
静かにうねる海
カーテンを揺らす風
どこまでも続く青空
子供の笑い声
君の手の温もり
死と再生を繰り返す命
愛
「Image」 作詞作曲:桜井和寿
これは、ものすごく壮大なテーマを、身近なもので表現している秀逸な表現だと思います。
桜井さんの描く歌詞は、身近なものからの創造がとても多いので共感を持ちやすいのですが、
命や愛について歌う際にも、だれもが分かる言葉を使ってます。
私の勝手なイメージですと、
海辺の家に住む主人公が窓を開けて海を眺めている。
ゆっくりと風が吹いて、
どこからか、子供の笑い声がしている。(それは、我が子なのか外から聞こえているかは、不明)
自分の隣には、愛する人がいて、手の温もりを感じている。
そして主人公は目を閉じて感じる。
目を閉じて感じたものは、今ある命の大切さ、ありがたさ。
命は、今この瞬間にも生まれ、死んでゆく。
今ある自分の命と、そんな自分が感じている温もりの命。
愛を感じずにはいられない。
とても幸せなイメージ。
この曲は、現実的にある描写というよりは、想像の世界な感覚があります。
身近なものを繋いでいく歌詞作り
以前、B’zの稲葉さんとの対談がYouTubeで公開されていました。
で、桜井さんが作詞について話していました。
作詞するとき、例えばそこにあるペットボトルとスニーカーを結び付けてストーリーを作っていく、
みたいな身近にあるものを紡いでいく作業なんだ、みたいなことを仰っていたんです。
もうその才能の素晴らしさは去ることながら、
だからこそ、多くの人に共感を得るような詞が描けるんだなぁと感じました。
情景描写の技術というか、表現力は、本当に素晴らしいです。
聴いた瞬間に、映像を思い浮かべ、そこから感情が伝わってくる。
素晴らしすぎます。
まだまだ、そういう曲はありそうです!
Mr.Childrenファンの方は、そういう曲を見つけたらまた教えてくださいね😊
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